House for tube
大きな筒が、風景を映し出し、風景に溶け込む。歩いて回るたびに、いろんな発見をする住宅。
3人アーティストのために別荘としての家を設計した。この住宅の中心には大きな筒がある。この筒には薄い鏡が貼られていて、住宅内部の風景と住宅の外部の風景を敏感に写しとり、風景そのものへと姿を変える。筒を通して反射した光がゆらゆらと揺らいで、自然の一部が風景になる。窓を開けたりモノを置くたびに、奥深いものを発見し、しまいには住人たちすらも風景へと変わる。住人たちは、筒の周りを盆踊りのようにグルグルと回る体験をする。回る体験を通して、住民たちの頭の中には不思議な全体性が浮かび上がってゆく。筒を通して日常が書き出され、消えていく。住まい手の意識によって現れては消える空間は日常をより美しく現象させる。